夜のしめやかな願い
「まあ、いい加減、あの父親に付き合っていい息子をやっているのも嫌気がさしていたから、そういう意味でこの状況を作ってくれたおまえは、利用価値があったかもしれないな」
さゆりは思わず笑った。
「安心した。
オミらしくて。
変わらず元気みたいね」
さゆりは立ち上がった。
満足だ。
オミがオミらしいままと、知って。
「紅茶、ごちそうさま。
おいしかった」
宗臣は軽く肩をすくめた。
「日本に・・・帰って来るでしょう?
そうしたら連絡してね。
演奏会とかのチケットを送るから」
「いや、結構だ。
もうおまえに価値はない」
宗臣も立ち上がると、先に歩いてドアを開けて脇によける。