禁断のお茶会
「フリードリヒさん、おはようございます」

外へ出ると近所に住む老人を見かけ、エリーゼはすぐに挨拶をする。

「おお、エリーゼ。おはよう」

フリードリヒは自分の孫を見るように、優しくエリーゼを見つめる。

「モリーさん、おはようございます」

「おはよう、エリーゼ」

「アルベルトさん、おはよう!」

「エリーゼ、おはよう!今日も綺麗だね〜」

道を歩く人々にエリーゼは挨拶をする。エリーゼに声をかけられた者は皆、エリーゼに優しい笑みを浮かべながら挨拶を返す。

エリーゼは気立てが良いことでこの村では有名だ。彼女の名前をこの村で知らない者はいない。

「それにしても……もうすぐこの村を出て行ってしまうんだね」

フリードリヒが寂しそうに言う。

その台詞を聞いてエリーゼの顔が曇った。

「まあ、相手は隣国の貴族ですしきっと幸せになるはずよ!」

フリードリヒを元気付けるようにモリーが明るく言った。

「でも、エリーゼみたいな美人に会えないなんて、本当に寂しくなるなぁ…」
< 2 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop