森の妖精と団長さん



「私はシキ様を守れなかった…だから、エマ様だけはレーガン家に見つからないよう、森の中の小屋にいてもらいました…」


初めて聞く両親の話と両親がいなくなってからの話



シキお兄様はどんな思いだったのだろうか。
たった1人で大人に立ち向かい、長い間地下牢にいれられ、

想像するだけでも胸が締め付けられる。


「シキ様は本当にお心のお強い方です…もちろん、たった1人でこんな立派に成長なさったエマ様もです。」


セアの涙につられて涙が溢れる。


「…セア、ありがとう教えてくれて…。なんだかお兄様に会いたくなったから行きましょう?」


「そうですね!」


私の自慢できるお兄様に会いたくて、涙をグッと拭い、笑顔で会いに行った。





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