森の妖精と団長さん
後ろから抱きしめるような体勢でルカさんの前に座っているのも、何かの試練かのようだ。
その気を紛らわすように辺りを見渡せば、今まで見ていた世界がより開けた感じがする。
会話はほとんど交わさないけど、ルカさんとの静寂の時間は全然苦じゃなく、
むしろ、心地良かった。
朝から出発し、あっという間に王都に着き、王宮へと進んで行く。
「ルカ団長!お疲れ様です!」
門のところにいる警備兵がチラリと私を見ていた。
ルカさんと馬に乗ってたら目立つよねー…。
どうすることも出来ないので、とりあえず俯いていた。