森の妖精と団長さん




エリックはいつも通りだった。


今日は暇だからと陽の当たるテーブルに座ってお茶をしている。


近くにあった椅子を持って行き、私もそこに座る。

何か感じとったのか、席を立ち、私の分のカップとお菓子まで持ってきてくれた。



「エリック…、ルカさん第2王子なんだって…」


私が呟くとエリックは鼻を鳴らし

「知っとるわい。あやつらが産まれる前からここにおるからの。」


「そっか…そうだよね。」




俯く私の頭にエリックの手が乗り、ぐしゃぐしゃにしていく。


「王子だからといってあやつが変わる訳じゃない。ただ、立場があるからのう…お前さんが窮屈に感じてしまうことがあるかもしれんが、ルカを信じれば大丈夫じゃ。あやつはそれだけの力をつけたよ。」



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