森の妖精と団長さん



「これから、エマにつらい思いをさせてしまうかもしれない。また、怪我をさせてしまうかもしれない。」



そう言われて、矢で射られたことを思い出す。

無意識に手を握り締めていた私の手をルカさんは優しく包み込む。

「エマは俺が必ず守ると誓う。エマはずっと俺の側で笑っていてくれ。」



「ルカさん…」


溢れる涙をグッと拭い、ウジウジしてた気持ちを取っ払う。



「王子だと知って、びっくりしましたし、不安でしたけど、ルカさんに会ったら無くなっちゃいました。」


えへへと笑う私


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