ぼくらは最期まで最初の恋をする
「何固まってんのー!」

声に驚きみんなが一斉に声の方をむく。声の主はなんと、咲だった。

「大丈夫!誰よりも、あなた達は練習してきた!誰よりも、どのチームよりも!私はずっと見てたから!」


みんなからすれば現役生徒会員からの、これ以上ない激励。俺にとっても、大好きな幼なじみからの最強の応援。


「「「はい!!」」」


緊張なんて、1秒で吹き飛んでしまった。大丈夫。これならみんなも、俺もいつも通り戦える。


「おい!そろそろ集合かかるぞ!」


顧問からの呼びかけがあり、みんな慌てて走り出した。最後の試合を、1試合でも長く続けるために…


「これから、試合を開始する!礼!」

「「「しゃーっす!」」」

振り返れば真剣な、そして少し不安そうな眼差しでこっちを見ている咲の姿が見えた。

(大丈夫)


そう、心でつぶやいた。今まで支えてくれた咲に恩返しをするには、1回でも多く勝つしかないんだ。
俺たちの夏はまだ終わらせない、そう誓った。
咲に好きだと伝えるのは、甲子園で優勝したとき。

俺の勝手な決意を、お前は受け取ってくれるか?
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