外見9割、性格1割。

あんまりにもいつも通りだったから
馬鹿らしく思えてきて
同時に鬼男にとってはさっきの事は
何ともない事なんだと痛感した。

彼女が目を覚まさない事は
今日、私が初めて知っただけで
鬼男にとっては今までと
何ら変わらない日常。
私が泣いた事だって、昔
生徒に言い寄られた事のある
鬼男にとっては
痛くも痒くもない事なんだと。

でも、鬼男は寂しくなったりしないのかな?
愛する彼女に名前を呼んで貰えない。
話す事も出来ない。笑顔を見る事も
喧嘩する事も出来ない。
それを少しも辛いとは思わないのかな?

愛琉「ねぇ。」

料理をする鬼男の背中に話しかけてみる。
やっぱり鬼男は私の問いかけには
答えてくれる。

築「何だ?」

愛琉「もしも、落ち込んだり
辛い事があったら
いつでも私の事呼んでね。」

それを聞いた鬼男は鼻で笑った。
また馬鹿な事を言ってると
思われたんだろう。
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