外見9割、性格1割。
愛琉「彼女が怪我しちゃったから?」
築「違う。」
愛琉「じゃあ、どうして気持ちが変わったの?」
鬼男は箸をお皿の上に置くと
小さくため息をついた。
築「いなくなるって
どうゆう事だと思う?」
愛琉「...いなくなる...?」
築「自分の目の前から
その人の姿が消えるのと
この世からその人の姿が
消えるのとでは意味が違う。
お前、今日は早川の見舞いに
来てたんだよな?」
愛琉「うん。」
築「例えば明日、早川が遠い街の
病院に転院するのと明日死ぬのとでは
悲しみも辛さも違うだろ?
人は失ってから大切さに気付く。
そんな使い古された言葉を俺は実感した。
でも、ラッキーだったと思ってる。
本当に失ってしまう前にその大切さに
気が付けて良かった。美園はまだ生きてる。
今からだって明日だって毎日だって
会いに行ける。失う前に俺は美園の
大切さを知ったんだ。」
鬼男には何度も何度も振られてきた。
思えば初めから振られてた。
拒絶もされた。諦めろって言われた。
でも、ここまで強く鬼男の想いを
感じたのは初めてだった。
よく分かった。
鬼男は彼女の事が本当に大切で
本当に大好きなんだ。