敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
「あ、あの、信じてもらえないかもしれませんが、今のは悪口じゃないんです。いい意味に取っていただくのは難しいかもしれないんですけど……」
本当に違うのに、話せば話すほど言い訳や自己防衛に聞こえてしまいそうであたふたしてしまう。
だけどどう頑張っても誤解されてしまうだろうな、と諦めかけた時。
「そんなに焦らなくても大丈夫ですよ。神田さんは面と向かって悪口を言えるような方ではないですしね。それに私が無表情なのは今に始まったことではありませんので」
そう話す室長はやはり無表情だけれど、声のトーンがどこか寂しそうに聞こえて、本当は嫌な思いをしているのだと感じてちくんと胸が痛くなった。
「……室長、本当に私は室長のこと悪く思ってません。言い方が良くなかったと思います。それに、誰に対しても同じ態度で接することが出来るのは良いことだと私は思います!」
「……良いこと、ですか?」
「そうです。私は、人の顔色を窺って下手な作り笑いをしちゃってるみたいで……。それが原因でフラれたばかりなんですから」
別に室長は私が言ったことに傷付いてるとか、そこまでじゃないかもしれないけど、勝手に罪悪感を感じてしまい、自分のコンプレックスを引き合いに出してみたけど。