敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
今気付いたが、どうやら俺の女性の好みは美人より可愛らしい子がいいようだ。
「はは、心配しなくていい。俺を信じろ」
「……信じてますけど……」
そう言って俺を見上げる彼女は、たぶん他の男が見ても可愛いと思うだろう。
しかもこんなに表情豊かで、仕事ではコツコツ努力することも忘れない真面目さも好感が持てる。
まあ表情が豊かであると気付くには、彼女が心を許してくれる必要があると思うが。
……ということは俺には心を開いてくれているということか。それは、素直に嬉しい。
「ところで、君はどうなの」
「はい?」
「君が今まで付き合ってきた男の話が聞きたい」
「え、私の……?」
これまで他人の恋愛話に興味を持ったことなんてなかった。はっきり言ってどうでもいいと思っていたから。
でも彼女は別だ。どんな恋愛を重ねてきたのかが気になる。どんな奴に心を開いて、身体を開いたのか。
「私のなんて聞いてもつまんないですよ。室長みたいに数も多くないし」
「……地味に刺さる言い方だな」
「だってホントのことですよ。今までたくさん綺麗な人と知り合ってきたんだろうなって思いますもん」
「たくさんいたとしても記憶に残ってない。俺にとってはみんな同じ、誰でもないんだ。でも君はそうじゃないだろ? 作り笑いが原因でフラれたのはどんな奴だった?」
「どんな、って……」
別れた男を思い出しているのか、俺から視線をはずしあらぬ方向へ目を向ける彼女を見ていると、なぜか腹が立ってくるから不思議だ。
俺から聞いたくせに、俺の前で他の男を思い浮かべるのがムカつくというのはさすがに愚かすぎる。