敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~


「はは……。ま、俺の話はこんなところかな。何か質問は?」

「質問……ですか……」

「たくさんあるって顔してるね」

「たくさん、はないですよ。気になることはありますけど、またこうして色々話していくうちに理解出来ることもあると思うので」

「そうだな。俺も過去の話を出したらきりがないほどネタはあるからな。まあ、追い追い話していけたらと思ってるかな」


何をどう話せば俺の成り立ちが伝わるのか、正直なところ自分でもよくわからない。

ただ彼女の言う通りこうして一緒に過ごす時間を重ねるうちにお互いのことはわかり合えていくものなんだろうと思うが。

実際に誰かとそういう関係になったことがないので手探り状態であるのは否めない。


「あの……、どちらが社長になるのかは会長がお決めになられたんですか?」

「いや、俺達で決めろって丸投げだった。だから俺はやらないって言ったんだ」

「そうなんですか?」

「ああ。どう考えても俺には向いてない。ずっと愛人の子として控え目に目立たないように感情を抑えて生きてきたから。今さら人の上に立ってどうこうするより誰かを支える側の方が合ってると思ったんだ」

「社長はやりたくないとは言わなかったんですか?」

「言ってたよ。面倒くさいって。だけど俺の人付き合いの悪さも知ってるから仕方ないと思ったんだろ。それに俺も秘書になってわかったが、裏で動く方が性に合ってる」

「裏で動くって何してるんですか」

「はは、さすがにまだそれは言えないな」

「怪しい……」

「まあ、色々あるよ。味方を増やしたり蹴落としたり、色々ね。法に触れることではないから安心していいよ」

「法に、触れる……?」


眉間に皺を寄せ、なんとも難しい顔をする彼女がまた可愛い。
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