敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
「ど、どうかしましたか?」
「いや、別に。頼もしいなと思って。まあそれだけじゃないけど」
「なんですか?」
「早くその気にならないかなって。待ち遠しくてさ」
「なっ……」
「君次第だから。俺は待つしかないんだよな」
そう言って私に目線を寄越してからわざとらしく「はあ」とため息をつく室長。
こんなからかうような態度も普段の室長からは考えられない。
それにもっと深い関係になるのは私次第、なんて委ねられるとじゃあ室長は私でいいんだと変に安心する。
この前は突然だったこともあり、動揺して待ってほしいと言ってしまった。
考えたくないのに頭の中に室長がこれまで関係を持ってきた、恐らく私なんかより綺麗で洗練された容姿の女性達が思い浮かんで、比べられるのが怖くて躊躇してしまったのだ。
それにあの時着ていた下着は、機能性重視、デザイン性ほぼ無視みたいなもので、どうしても見られたくなかった。
「あ、あの、私は……」
「いいよ、待ってるから。無理するな、って何回も言い過ぎか。逆に迫ってるみたいだな」
手の甲から指先まで滑らせるように私の頬を撫で、オフィスに不似合いな艶っぽい笑みを見せられると、胸の鼓動は壊れたように激しくなった。