敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~

どうしてこんな優しい目で見てくれるんだろう。

もちろん嬉しい。
嬉しいに決まってるけど。

室長も、私と同じ気持ちなのかな。
私が好きって言ったら、何て言ってくれるんだろう。


「俺のことも名前で呼んで」

「えっ」

「呼ぶまでこのままだから。早く呼ばないと阿川さん戻ってくるぞ」

「脅しじゃないですか!」

「呼んで。君に呼んでほしい」

「っ……」


なにそれなにこれ。
呼んでほしいってそんな顔で言わないで。
私をどれだけハマらせれば気が済むの。


「……七海、呼んで」

「っ……、か、薫さん……」


名前を呼ばれ、ドキッとしてつられるように呼んでしまった。

耳まで熱くなるのがはっきりとわかるほど急激に上がっていく体温。

たかが名前、されど名前。
室長を名前で呼べる私は、特別なんだと言われているみたいだ。


「ふ、名前ぐらいで、と思っていたが侮れないな」

「え……?」

「そろそろ、本気で耐えられそうにないんだが。君はいつ責任とってくれるのかな?」


そう言って身体の芯から蕩けてしまいそうな流し目をする室長は本当に悪い男だ。
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