敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
「いいじゃないですか。努力はいつ始めたって遅すぎることはありません。前向きな女性は素敵だと僕は思いますよ」
「あ、ありがとうございます……」
にこっと、人懐っこい笑顔を添えて誉められるとなんだか恥ずかしくて落ち着かないけど、自分を認めてもらえたような気がして清々しい気持ちになる。
「……慎太郎、お前、神田さんは好きなタイプじゃろ」
「えっ」
「お前はこういう可愛い子が好きなはず。違うか?」
「なっ、な、何を突然……!」
会長がニヤッと含み笑いを浮かべ、からかうような目を向けて私と常務とを交互に見てくる。
そしてそんな会長の発言に焦り気味に答える常務の顔は段々と赤みを帯びていく。
内容が内容だけに真に受けていいのか、からかっていらっしゃるだけなのかが分からず私もどんな顔をしていいのかと迷う。
「おじい様……! お願いですからいきなり変なことを仰るのはおやめください……! 神田さんもどうかお気になさらず……」
「何を言うとる、お前みたいに仕事ばかりしとったらわしはいつまでたっても曾孫の顔が見れんじゃろ」
そう言って会長は冷酒の入ったグラスを手にし、一気に飲み干す。