敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
人をこんなに追い詰めておいて、その上からかうとか室長は本物の悪魔だ。
でも悔しいけどこんな姿でさえ滅茶苦茶カッコいい。
この笑い方がすごく好き。
だってこんな顔、会社では絶対見せないし、きっと、ううん、絶対私にしか見せないはずだから。
「だ、だったら室長みたいにいろんな人とーー」
「却下」
「き、却下って、室長にそんなこと言う権利な……」
「--ーー七海、おいで」
「え……?」
私を愛おしそうに見つめるその人は、ついさっきまで私を突き放そうとしていたのに。
なのに馬鹿な私の体は名前を呼ばれただけで全身が沸騰してしまいそうなほどに熱を帯びていく。
『おいで』と私を呼び寄せる悪魔はあいも変わらず私を見つめ、引き寄せられるままに一歩を踏み出しそうになったけど。
「……嫌です。行きません」
私の返事を聞いた室長は、断られた理由がわからないのか眉をひそめている。
「私のことが好きなら、室長が来てください」
もし、室長が私を好きじゃないなら来ない。
中々言葉をくれない室長を相手にする私にはこう聞くのが一番わかりやすい。