敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
***
結局、朝礼が終わった後すぐに室長は社長について外出して、終業間際まで戻らなかったのでまともに接触することはなかった。
「七海ちゃん、今日も残るの?手伝いましょうか」
「あ、いえ、残業はなくて……。えっと、私も帰ります」
そう言って、私が残業するならと気遣ってくれた阿川さんと一緒に更衣室に向かうことにしてエレベーターに乗り込んだけれど。
少しモヤモヤするけどこのまま帰ろうと思えば帰れるし。
あの時目撃したことは全部夢だし。
うん、私は何も見てないし。
なんて心の中で自分に言い聞かせてはいるものの。
とにかく室長が何も言ってこないのが不気味なのだ。
と言っても今日は話す機会はゼロだったから仕方ないけど。
とはいえ私は他の人に話したりしませんよ、ぐらいのアピールはしておきたい。
勝手に口封じ、みたいに異動させられたらこれまでの秘書になるため、必要とされるための努力が全て水の泡になってしまう。
それだけは絶対に避けたい。
だったらやっぱりーー。
「すみません、私、机の中に忘れ物してきちゃったので取りに行ってきます!」
更衣室のあるフロアに降りてすぐに阿川さんにそう伝えると、私は踵を返してもう一度秘書室へと向かった。
結局、朝礼が終わった後すぐに室長は社長について外出して、終業間際まで戻らなかったのでまともに接触することはなかった。
「七海ちゃん、今日も残るの?手伝いましょうか」
「あ、いえ、残業はなくて……。えっと、私も帰ります」
そう言って、私が残業するならと気遣ってくれた阿川さんと一緒に更衣室に向かうことにしてエレベーターに乗り込んだけれど。
少しモヤモヤするけどこのまま帰ろうと思えば帰れるし。
あの時目撃したことは全部夢だし。
うん、私は何も見てないし。
なんて心の中で自分に言い聞かせてはいるものの。
とにかく室長が何も言ってこないのが不気味なのだ。
と言っても今日は話す機会はゼロだったから仕方ないけど。
とはいえ私は他の人に話したりしませんよ、ぐらいのアピールはしておきたい。
勝手に口封じ、みたいに異動させられたらこれまでの秘書になるため、必要とされるための努力が全て水の泡になってしまう。
それだけは絶対に避けたい。
だったらやっぱりーー。
「すみません、私、机の中に忘れ物してきちゃったので取りに行ってきます!」
更衣室のあるフロアに降りてすぐに阿川さんにそう伝えると、私は踵を返してもう一度秘書室へと向かった。