敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
「あの……私、前の部署で飲み会とかあった時、お化粧直しとかそれほど気にしてなかったんですけど、やっぱりこちらの皆さんは美意識高いなって思って……。私もそこから変わらなきゃいけないなって反省してたんです……」

「えっ、反省?いや、そんな事考えなくても大丈夫ですよ!佐伯さんそのままで十分可愛いし、変わる必要ないと思います!というか変わっちゃダメと思う」


皆が張り切って化粧直しするのは合コンだからで、普段の飲み会の時には皆ここまで化粧直しに時間をかけないことを私は知ってる。

だけど今日がただの歓迎会だと思っている佐伯さんはそんな背景を知らないから不安になっている訳だ。

サプライズだからと何にも知らされていない彼女が可哀想に思えて、私なりに励ましてはみたけれど。

なんだかサプライズと言うと聞こえはいいけど、真面目ないい子を騙してるようにしか思えなくて罪悪感を覚えてしまう。


「あの、もし何か困ったこととかあったら私で良ければ何でも聞いてくださいね。阿川さんがいるから大丈夫とは思うけど……。ここでは私が一番年が近いし、仲良く出来たらいいなと思ってるので……」

「こ、こちらこそよろしくお願いします……!」


私が仲良くしたいと伝えると、佐伯さんは慌てて立ち上がり、ペコッと頭を下げる。
そして顔を上げた時には人懐っこいふんわりした笑顔を見せてくれて。

そんな佐伯さんを見て素直に可愛いなあ、と羨ましく思った。
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