敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
室長は私の自然体の表情がいいって褒めてくれたけど、それって私が一人で小躍りして喜んでた時のことなのかな。
笑顔が堅い子だと思ってたって言ってたから、やっぱり普段の私は笑うのが下手なんだろうな。
やっぱり笑うのが少し怖い。
本当は違うのに、わざとらしいとか思われるのは嫌だし。
「あの、神田さんはお酒はたくさん飲まれますか?」
「うーん……、そんなには飲めない、というか飲みたくないかも……。私、顔が赤くなるのが嫌で」
「そうなんですか。私はお酒を飲む機会がほとんどなくてーー」
もうこの後は先輩達のメイク直しを待って皆で待ち合わせ場所に向かうだけ。
緊張しているようにも見えた神田さんも、この待ち時間に色々話して固かった表情が和らいできたので、私もほっとした頃、先輩達が戻ってきた。
「お待たせ。じゃあ行きましょうか」
にっこり笑って皆にそう告げる阿川さんは、もともとが普通に話し掛けてもいいのか戸惑うほどの美人なのに、化粧直しをして更に高嶺の花になっていた。
それに他の先輩達も華やかさを増していて、この人数で揃って歩くとなると目立つことこの上ないだろうと想像できる。