敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
で、私はこの隙に室長に連絡を入れようと、皆の視界からフェードアウトするかのように後ろずさり、隣の店先に置いてあるオブジェに隠れて電話をかける。
『ーー何かあったか?』
繋がったと思った途端に会社にいる時とは全然違うぶっきらぼうな物言いをされ、そう来ると思ってなかった私は一瞬固まってしまう。
だけどプライベートな室長を知っている私にだからこんな感じで接してくるのだと思うと、優越感のようなものが湧いてくる。
「あの、今日の相手のことなんですけど、向こうは潮物産の剣崎さんが幹事をされてるんですが、佐伯さんと仲良くなりたいって言ってるみたいで……」
『……剣崎くんが……?』
「あっ、でもまだ始まっていないんですけど、阿川さんがそう言われたらしくて……」
『ーーわかった。教えてくれてありがとう。また何かあったら連絡してくれ』
室長の方も接待に同行しているからか、やっぱり忙しそうな雰囲気で、電話はあっさりと切られてしまったけれど。
剣崎さんのことを告げると室長の声色が変わった。
明らかに焦りの色が感じられ、佐伯さんのことが気がかりなのがよくわかった。
室長が大事にしているのは佐伯さんで、私なんかじゃないんだと思い知らされる。
最近室長に構われて有頂天になりかけていたところを現実に引き戻されたような気分だ。
そうだ、私は室長よりいい男を探しに来たんだから。
そんな人が見つかれば、室長と佐伯さんの関係もきっと気にならなくなるはず……、だといいけれど。
『ーー何かあったか?』
繋がったと思った途端に会社にいる時とは全然違うぶっきらぼうな物言いをされ、そう来ると思ってなかった私は一瞬固まってしまう。
だけどプライベートな室長を知っている私にだからこんな感じで接してくるのだと思うと、優越感のようなものが湧いてくる。
「あの、今日の相手のことなんですけど、向こうは潮物産の剣崎さんが幹事をされてるんですが、佐伯さんと仲良くなりたいって言ってるみたいで……」
『……剣崎くんが……?』
「あっ、でもまだ始まっていないんですけど、阿川さんがそう言われたらしくて……」
『ーーわかった。教えてくれてありがとう。また何かあったら連絡してくれ』
室長の方も接待に同行しているからか、やっぱり忙しそうな雰囲気で、電話はあっさりと切られてしまったけれど。
剣崎さんのことを告げると室長の声色が変わった。
明らかに焦りの色が感じられ、佐伯さんのことが気がかりなのがよくわかった。
室長が大事にしているのは佐伯さんで、私なんかじゃないんだと思い知らされる。
最近室長に構われて有頂天になりかけていたところを現実に引き戻されたような気分だ。
そうだ、私は室長よりいい男を探しに来たんだから。
そんな人が見つかれば、室長と佐伯さんの関係もきっと気にならなくなるはず……、だといいけれど。