敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
「君が答えるべき選択肢は3つだ。恋人、彼氏、そしてフィアンセ」
「そ、そんなこと言われても……。じゃあ室長は何て答えるんですか?」
そう、私が訊きたいのはまさにこれだ。
室長にとって私は一体なんなのか。
始まりはあやふやで、社長と室長が兄弟であることを黙っている代わりに室長が『保険』を申し出てくれたこと。
だけどそれがあまりにも現実離れしていて、受け入れたくても受け入れられないのだ。
「恋人、って答えるだろうな。フィアンセだとカッコつけすぎだろう?」
飄々と、さも当たり前とでも言いたげなほどにそう言い切る室長。
だけど私はどうしてもこの回答に納得できなくて。
「待ってください、恋人……は、違いますよね……?」
「じゃあフィアンセ?……君は、俺に何て言ってほしい?」
「私は……」
喜ぶ姿が可愛いかったからとか、反応がいいからとか、それらはどれも曖昧で抽象的過ぎて、私を『恋人』と呼ぶ理由としては弱い気がして。
本当はもっとはっきりとした感情を伝えてほしい、そう思うけれど。