敏腕室長の恋愛遍歴~私と結婚しませんか~
「室長、櫂くんと棗くんって何歳なんですか?」
「俺と櫂は6歳、棗は7歳違うな」
「室長と……、って、室長は何歳なんでしょう」
「……33だが……」
「じゃあ彼女いない歴33年間ですか?」
「ふ……。そうなるな」
室長の返事を聞いて思わず頬が緩む。
だって33年間彼女はいなくて、私が初めてとか言われたら嬉しいに決まってる。
まあ彼女はいなくても関係のあった女性は山ほどいただろうけど。
「なんか結局、私って室長に振り回されてますよね」
「そうか?」
「そうですよ。今までなーんにもなかったのに突然婚約とか言ってみたり。それに佐伯さんのことだって、私が勘違いしてるのわかってましたよね?」
「……さあ?」
「もう……。私、複雑でしたよ。室長は佐伯さんのことが大事なんだ、って思って……」
「でもその誤解があったお陰で、今は気分がいいだろう?」
「そうですけど……」
「まあとりあえず乾杯しようか。ほら」
「あ……可愛い……」
少しふくれ気味の私の前に、棗くんがスッと差し出してくれたのは淡いピンク色のカクテル。
手を伸ばしてグラスを取って室長の方へ寄せると、グラス同士が触れて奏でる乾杯の音色が心地いい。