俺がきみの一番になる。
ちょっと、いや、かなり嬉しいかも。胸の中のモヤモヤが晴れていくような気がした。
「今はおまえがいるんだし、亜子と俺はただのダチだから」
「ダチって。本気で言ってんのかよ? 少しは柳内さんの気持ちも考えろよ」
「ほ、本田君、もういいから。お願い、やめて」
今にも太陽に掴みかかりそうな本田君の腕を掴んだ。そして、懇願するように下から本田君の顔を見上げる。
目が合うと、すぐにパッと目をそらされた。バツが悪そうな表情を浮かべる本田君。
「……わかったよ」
そう言って本田君は私の手を振り払い、そのまま背を向けてお菓子コーナーに行ってしまった。
わかってる。本田君は私のことを思って言ってくれたんだって。それなのに、本田君を悪者扱いするような態度を見せたから怒ってるんだよね……?
「あー、なんかごめんな。俺が謝ると余計に怒らせることになると思うから、亜子から言っといて」
「あ、うん」
「じゃあ、俺はそろそろ行くから。またなー!」
「バイバイ」
笑顔を残して去って行く太陽に小さく手を振る。でもそれ以上に気になるのは、本田君のこと。
本田君の背中から話しかけるなオーラがひしひしと伝わってくる。
ほんと、どうしろっていうの。