俺がきみの一番になる。
だから、素直に話したのに──。
「ぷっ! 壁ドンして? 甘い言葉で迫って? ほっぺにチューって! 草太のキャラじゃねーし! ははははははっ! ひーっ、腹いてーっ」
お腹を抱えて大笑いする拓也。涙まで浮かべている姿を見て、マジでイラッとした。
「マジでおまえ、投げ飛ばされたい?」
「いやいや、ぶっ。悪かったって。ははっ。もう、笑わねーから……ぷっ、くくっ。でもまさかおまえがねぇ……ははっ」
「言ってるそばから笑ってんじゃねーか」
マジでこいつだけは、どうしようもない。
「悪い悪い、おまえがあまりにもかわいいからさぁ。はははっ。あ、わり」
「…………」
本気で投げ飛ばしてもいいか?
幸いここには布団があるし、ちょうどいい。
「あ、かわいいって言われるのが嫌なんだったな。けどおまえ、マジでウブだからさ。ほっぺにチューって。小学生かってーの。するなら唇だろ、なにやってんだよー!」
拓也はまだ笑っている。真剣に答えてくれる気はないらしい。
やっぱ、言うんじゃなかった。
「唇にとか……できるわけねーだろ」
「あともう一押しなのに、いざとなったらヘタレだもんなぁ、おまえ」
「ヘタレって……俺が言いたいのはそんなことじゃねーよ。好きでもない相手からこんなことされたら、迷惑だよなって……」
言っててヘコんだ。
そりゃ迷惑だよな、嫌だよな。