俺がきみの一番になる。
どっちかっつーと、苦い思い出なんだ。
「あー……身長が低い人は恋愛対象にならないし、草太君はあたしよりかわいいから嫌だって言われたんだっけ? それはマジ同情したわ」
「思い出させるなよ、忘れたい過去なんだから」
結構傷ついたし、立ち直るのに時間がかかった。
こいつはマジで、痛いとこばっか突いてくる。
「いいだろ、今は身長も伸びてカッコよくなったんだから。朱里ちゃんは中三の夏休みに引っ越したけど、久しぶりにおまえに会ってビックリしてたし。今頃、振ったことを後悔してるかもよ?」
「そんなわけないだろ。つーか、朱里のことはもういいから」
若干イラッと気味に言うと、拓也はそれ以上はなにも言わなかった。
頭の中にあるのは、さっきの出来事。
後悔以外のなにものでもない。
いつも俺は、つい強引にしすぎてしまう。自信があるわけでも、カッコつけてるわけでもない。
こいつ、ほんとに俺の気持ちをわかってんのかなって。
かなり抜けてる亜子には、多少強引にしないと伝わらない気がして不安だから。
振り向いてほしくて、こっちを見てほしくて、必死だから。
それに三上とのことでカッとなって、つい……。
ああせずには、いられなかった。