俺がきみの一番になる。
「あ、ごめんね、いきなり」
そう言ってひとりの女子、小田原(おだわら)さんが話し出す。
小田原さんはテニス部に所属しているショートカットのボーイッシュな女の子だ。
小顔でスタイルがよくて、とても愛嬌のある顔立ちをしている。
他の子もみんなテニス部やバスケ部に所属していて、素朴な感じの子ばかり。
「あたしら、柳内さんや南野さんと話してみたいなぁと思ってて。でも、へんな噂のこともあったし、信じてたわけじゃないけど、なかなか勇気が出なくて話しかけられなかったの。ね?」
小田原さんの言葉にうんうんと強く同意する三人。
「この修学旅行で同じ部屋になったのもなにかの縁だし、この機会に仲良くしてもらえないかな?」
ニッコリ笑う小田原さんの笑顔はキラキラとまぶしくて、今度は私と咲希が顔を見合わせた。
そしてお互いに口元ゆるめて笑う。
そんなの、聞かれなくても答えは決まってる。
「「もちろんだよ!」」
「あはは、ふたり、ハモってるしー!」
そう言われて、今度は私たち全員が顔を見合わせて笑った。
楽しい楽しい修学旅行の夜、最終日。
明日は帰るだけだしということで、私たちは遅くまで恋バナに花を咲かせた。
「えー! 亜子ちゃんって本田君のことが好きだったの?」
「きゃー! 告白して、キスまで?」
「進んでるー!」