俺がきみの一番になる。

いつもヘラヘラしている私でも、あそこまで言われたら傷つくよ。それに、どうしてあんな言い方をされなきゃいけないの。

私って……本田君に嫌われているのかな。

机に突っ伏してひとりの世界に入る。

本田君のことを考えるとモヤモヤが止まらなくなった。だから、必死でべつのことに心を向ける。

本田君のことなんて、もう知らないんだから。

べつのこと、べつのこと。さっきのことは気にしない。本田君が勝手に言ってるだけのことなんだから。

一組と三組。太陽とはクラスが近いこともあって姿を見かけることが多い。そのたびに気まずくて隠れたり、目が合った時は仕方なくさっきみたいに笑顔を浮かべる。

好き……だから。

よく思われたいから。自分でもバカだって思うけど、そうしなきゃツラいんだもん。

チャイムが鳴って先生が教室に来るまでの間、私は机に突っ伏してやり過ごした。

窓際の一番後ろが私の席で、本田君は廊下側の一番後ろの席。今はただ、席が離れていることにホッとしつつ、本田君のほうを見ないように前だけを見続けた。

私は悪くない。

悪く……ないんだ。

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