俺がきみの一番になる。
「亜子ちゃん、お願い、草太君と話をさせてくれないかな?」
「え、あ、え、と」
いきなり判断を委ねられて驚いた。本音を言うとすごくモヤモヤするけど、でも、嫌だとは言えない。
「う、うん……朱里ちゃんがそう言うなら……」
「やった! ありがとう、亜子ちゃん!」
「い、いえいえ」
「そうと決まれば、早速移動しようー。ジロジロ見られて、居心地が悪かったんだよね」
「マジで、いいの?」
草太が私に言った。
「う、うん。話すだけでしょ? 戻ってくるよね?」
「当たり前だろ。ごめん、じゃあちょっと行ってくる」
「そうだよー、早く行こ、草太君」
そう言いながら朱里ちゃんは草太の腕を引っ張って歩いて行く。
意外と大胆な朱里ちゃんに不安がつのる。
いいとは言ったものの、もし、告白なんだとしたら……どうしよう。
「離せよ」
「えー、いいじゃん。照れ屋さんだなぁ」
「よくねーから!」
遠ざかって行くふたりの後ろ姿を見ながら、手で左胸をギュッと押さえた。
やだ、嫌だよ。
行かないで、草太。
私、朱里ちゃんに勝てる自信なんてひとつもない。
もしかしたら、草太は朱里ちゃんを選ぶんじゃないかって気が気じゃなかった。