俺がきみの一番になる。
それは……認めたくないけど、本田君に核心をつかれたからだ。
でも、八方美人って……言い方キツくない?
「はぁ」
途中で食欲がなくなってしまい、食べかけのお弁当箱のふたをそっと閉じた。
校舎に戻ろうと立ち上がり、中庭からプールを横切った。快晴の空からは、サンサンと日差しが降り注いでいる。
ま、眩しい。
「おーい、柳内さーん!」
思わず目の前が真っ暗になった時、どこからか私の名前を呼ぶ声がした。
キョロキョロと辺りを見回してみると、プールサイドからこっちに向かって手を振る人の姿。
「こっちこいよー!」
なんてのんきに笑いながら、何事もなかったようにヘラヘラ笑っている。そんな本田君のことがよくわからないと思いつつも、手招きされてついついプールサイドへと向かう私。
フェンスの扉をくぐって、中へと入る。本田君は太陽の下で嬉しそうに笑っていた。
「なんでそんなに笑ってるの?」
っていうか、どうして普通にしていられるの?