俺がきみの一番になる。
「柳内さんのマネ」
「…………」
「っていうのは、冗談で」
私が無言で返したのを見て、本田君はテヘッと顔を崩して笑った。
なんなんだろう、この人は本当に。
「朝はごめん」
さっきまでとは打って変わって、とても真剣な表情。綺麗に整った凛々しい眉に思わず目がいく。右の眉尻に小さなホクロがあって、それがやけに色っぽく見えた。
まっすぐに私を見つめるその瞳。
「つい感情的になって言い過ぎた。冷静になって考えたら、すっげー傷つけるようなことを言ったなって……後悔したんだ」
深く深く、これでもかというくらい本田君は私に向かって頭を下げた。
ん?
「どういうこと……?」
わけがわからないよ。だって、感情的になって言い過ぎたのは私のほうで、本田君は言い方はどうであれまちがったことは言っていないのに。
「見ててバレバレだったよな? 元彼に嫉妬してんのが」
頭を上げた本田君は、バツが悪そうな表情を浮かべて私の顔を上から見下ろす。その顔はなぜか、ほんのり赤い。
「え……」
嫉妬?
なに、それ。そんなの、知らない。なにを言ってるの。
「どういう、こと?」
「うん、やっぱちゃんと言わないと伝わらないよな。特に柳内さんには」
ははっと小さく笑ったその表情は、どこか緊張しているようで、動きがぎこちない。
「そりゃ、そうだよ。言ってくれなきゃ、わかるわけないじゃん」
意味がわからないよ。
「柳内さんのことが好きだって言ったらどうする?」