俺がきみの一番になる。

土曜日になり、することもなく、ダラダラと部屋の中で過ごした。

勉強しなきゃいけないのに、まったく手につかず、ベッドの中でうずくまる。

頭の中にあるのは草太のことだけだ。

ジワッと涙が浮かんで枕に顔を押しつけた。

昨日からこんな感じで、草太のことを思い出しては涙が止まらない。

泣いていると、どうやら寝てしまっていたようで、次に目を覚ますと十五時を過ぎていた。

外は秋晴れで天気がよく、どこかに出かけたくなるようなほど気温が高い。

まさに行楽日和っていうのかな。

身体が重だるかったけど、なんとか起き上がり、パジャマから服に着替える。

部屋を出て洗面所に行き顔を洗うと、少しだけスッキリした。

だけど鏡に映る冴えない顔には、どこか悲壮感が漂っている。

はぁ、ダメだなぁ、こんなんじゃ。

パンッと両手で頬を軽く叩いて活を入れる。

こんな暗い気分のまま勉強してたんじゃダメだ。

一旦リセットしに外に出よう。

カバンの中にお財布やスマホ、薄手の上着を詰めてマンションを出る。

するといつものように足は駅のほうへと向かった。

そして、バス停に着くと目的のバスが来るのをぼんやりしながら待った。

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