俺がきみの一番になる。

一時間目は南野さんのおかげでなんとか乗り切ることができた。

二時間目の体育の時間になって、体育は隣のクラスの女子と合同だった。憂うつなのは、そこに沢井さんがいるから。

できればもう関わりたくないし、会いたくない。顔を見るのも嫌だ。

体操服が入ったカバンを持って更衣室へ向かう。足取りは鉛のように重い。そして更衣室の前まできた時だった。

「それにしても、柳内ってマジウザいよね。上履き隠した時、スリッパ履いてたのにはウケたけど、全然平気そうだったからムカつくわー。絶対泣くと思ったのにさぁ」

面白おかしく話す沢井さんの声が聞こえた。

「ねぇ、意外と根性座ってるんだ。もしかして、イジメられ慣れてるとか?」

「あー、たしかに! あの手の女子って嫌われやすそうだもんね」

更衣室の中からそんな声が聞こえて、固まってしまった。やっぱりあれは、沢井さんの仕業だったんだ。

どうしよう、中に入れない。入りたくない。このまま、どこかに逃げてしまいたい。

「なんの苦労もしないでさぁ。のほほんと生きてます系のぶりっ子女子って、ムカつく」

「そういえばさ、柳内んちって母親がいないらしいよ」

「マジー? なんで? もしかして、男作って出て行っちゃった系?」

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