ボクは初恋をまだ、知らない。
「……っっ。」

やばい…さっきの子と同様に、
ついにボクも体調がおかしくなってきた。

お腹がキリキリと痛む…。
立つのが辛くて、お腹を抱えていると急な症状だったからか視界がチカチカしてきて目眩がした。

同じクール系ブースに居た女の子の心配そうな目と目が合った瞬間、

ボクはその場に倒れ混んでしまった…。

「えっ!?ツッキー!!」

向かい側のスイートブースにいる、るなの声が何となく聞こえた。

「月村!!」

朦朧とした意識の中で、
ボクの身体がふわりと浮いたような気がした…。

ーーーーーーー

ーーー

「……んん。」

気づくとボクは、寝転がっていて、真っ白い天井のあるどこかに運ばれたようだった。

ボヤける視界がやっと、焦点が合った時。

「起きたか?」

目の前に、バーミリオンの髪が現れた。

「えっ!?太陽先生!?……っっ!!」

慌てて起き上がろうとすると、太陽先生におでこを押さえつけられて止められた。

「急に起き上がるな。多分、脳貧血だろ。」

「脳貧血…?そっか、ボク気を失ったんだ…」

足元を見ると、膝の下に厚い枕が仕込まれていた。

「これ、先生がしてくれたんですか?」

「あぁ。毎年何かしら脳貧血起こす奴いるからな。安心しろ、まだ15分位しか経ってないから。」

太陽先生は無線機で、ボクの目が覚めた事を浅村先生達に報告した。

ボクはそんな太陽先生の横顔を見て、
やっぱりちゃんと"先生"なんだなと実感する。
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