クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「公になってしまったらしいね。君の秘密」
「えっ……なんで」
なんで、今さっき教室で起こったことを理事長が知っているんだ。
「担任の先生から聞いたよ。すごく慌てた様子で理事長室に来たから、何事かと思ったら……」
きっと、理事長や明人さん以外の職員たちも、私が特例の編入だってことは知ってても、その理由やいきさつなんかは知らないだろう。
担任の先生も、黒板のあれ、見たのかな。
「すみません、私の意識が足りないばっかりに、あんな風にバレる形になってしまって……もう、教室に戻れそうになくて……」
クラスメイトのあの目や空気を思い出すたびに、身体が震えてしまう。
「いや、そもそも、周りに隠すってのは神部の提案だろう。私はそんなことわざわざ隠すことでもないと思うけどね」
「いや、でも……」
バレた結果、このざまだ。
「お人好しなところは父親そっくりだな。一体誰に気を使う必要があるんだ」
声は少し不機嫌そうだけど、かけてくれている言葉は、私の心に沁みる。