クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。





「あの子でしょ?特別寮のメイドっていう子」


「え?特例で編入できたっていうからどんなオーラのある声なのかと思ったら、超地味じゃん。普通の庶民でももう少しマシな人いるって」


「父親の借金を肩代わりしてるっていうのは、気の毒かもしれないけど、もう少し身の程わきまえて働くところ考えた方が良くない?」



昇降口に入ると、周りの注目の的が一気に私になり、そんな声があちこちで飛び交う。



「貧乏人は貧乏人らしく、そういうところにいればいいのよ。そんな人間と同じ制服着てるなんて、気分が悪いわ」


「特別寮の3人って優しいからさ〜。絶対本当は嫌だって!可哀想」



聞かない聞かない聞かない。


周りの生徒の話し声が聞こえないように、早歩きで教室に向かう。


正直、手は汗ばんでいるし、緊張で荒くなる呼吸も、さらに私の不安を煽る。


負けないって、戦うって、決めたんだもん。


理事長だって、あんな風に言ってくれたし、もちろんみんなだって。


階段を上り終えると、教室の前の廊下で話していた生徒たちが、会話をピタッと止めて私をみた。


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