クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


「もし単位落としちゃったらどうなるの?」


翼くんが心配そうに生徒会長の瑛斗くんにそう聞く。


「最悪、留年、かな」


「りゅ、留年っ?!」


とまるでお手本のように驚く翼くん。


「もしそうなったら、ゆるちゃんと3年生に上がれないってことになるな〜」


瑛斗さんの声がなぜだか少し楽しそうなので、早凪くんの後ろにいる彼をチラッと見ると、やはり楽しそうで、目が合った私にウインクした。


もしかして、瑛斗先輩の言ってる「留年」って……嘘?


「ゆると学年が別になるの?」


いつもは瑛斗さんにツンとした態度なのに、「留年」にびっくりしたのか、穏やかな口調でそう聞く。


「そう。それだと早凪も翼も寂し……」


「行く」


え???


突然、早凪くんがそう言って立ち上がった。


「……早凪、くん?」


「俺、ゆるが留年にならないようにノート取ってくるから。だから、ゆるもちゃんと寝ときなよ」


早凪くんのいきなりの変わりように、固まってしまう。


私の代わりにノートを取ってきてほしいってお願いがこんなに効果的だとは。

< 177 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop