クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「もし単位落としちゃったらどうなるの?」
翼くんが心配そうに生徒会長の瑛斗くんにそう聞く。
「最悪、留年、かな」
「りゅ、留年っ?!」
とまるでお手本のように驚く翼くん。
「もしそうなったら、ゆるちゃんと3年生に上がれないってことになるな〜」
瑛斗さんの声がなぜだか少し楽しそうなので、早凪くんの後ろにいる彼をチラッと見ると、やはり楽しそうで、目が合った私にウインクした。
もしかして、瑛斗先輩の言ってる「留年」って……嘘?
「ゆると学年が別になるの?」
いつもは瑛斗さんにツンとした態度なのに、「留年」にびっくりしたのか、穏やかな口調でそう聞く。
「そう。それだと早凪も翼も寂し……」
「行く」
え???
突然、早凪くんがそう言って立ち上がった。
「……早凪、くん?」
「俺、ゆるが留年にならないようにノート取ってくるから。だから、ゆるもちゃんと寝ときなよ」
早凪くんのいきなりの変わりように、固まってしまう。
私の代わりにノートを取ってきてほしいってお願いがこんなに効果的だとは。