クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「あとは、懐中電灯だな。スマホだと充電切れるし……どこにあったっけ」
「あっ、それなら、私知ってます」
んーと考えるポーズをしている瑛斗さんにそういう。
「え、知ってるって」
「確か三階の食糧倉庫のとなりに防災倉庫があったかと」
「あ、じゃあ俺が取りに……!」
「私が行きます!」
翼くんの声を遮ってそういう。
「いや、暗いし、女の子一人には……」
と瑛斗さん。
「でも、防災倉庫の鍵を厨房まで取りに行かないといけないし。鍵の場所知ってるの私だけだと思うんで。しっかり明人さんに教えてもらってるので大丈夫です」
この特別寮のメイドとして、しっかり働かねば。
台風に怯えたりしてる暇はない。
「そう?ゆるちゃんがそういうなら……でも一人じゃ心配だから……」
「俺が行く」
隣で今まで黙っていた早凪くんがそう言って、私の肩に手を回してグイッと引き寄せた。
「よし、頼んだぞ早凪。俺たちはリビングで待ってるから」
瑛斗さんにそう言われて、私たちはゆっくりと部屋を後にした。