クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


私は知らない早凪くんを、円は知っているんだ。


「一見何考えてるのかわかんない自由人に見えるけど、きっと誰よりも周りのことを見てて、誰よりも気を遣える子なのよ、宇垣くんって。そんな彼が、ゆるにはべったり。ゆるの前ではきっと素でいられるんだと思う。気張ってないんだよ」


「……素?」


「うん。ありのままで居られるってこと。だからもう少し自信もてば?ゆるが宇垣くんのこと好きだって知ったら彼だってきっと……」


『好き』そのセリフに、ボッと顔が赤くなる。
そりゃ、早凪くんのことは好きだよ。でもそれは、明人さんや瑛斗さん、翼くんにだって思ってることで……。


「好きって、まだ決まったわけじゃ。それに、円だって……」


「はー?なにそれ?もしかして、私が宇垣くんのこと好きだから申し訳ないみたいな?うっわ、余裕だね!」


「いや別に余裕とかそんなんじゃ!」


プンプンと再び怒り出した円は、私が食べたいと思っていたパフェに手を伸ばして、専用のスプーンを使って豪快に食ベ始めた。

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