クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。


「うん!すっごい可愛い子だから是非うちのイメージモデルに、って言ってるよ?ゆるちゃんさえよかったらやってほしいけど、でも早凪が怒るのが目に見えるしな〜」


翼くんの口から早凪くんの名前が飛び出してきて、ドクンと心臓が音を立てる。


「私みたいなのが翼くんちのブランドのモデルとか、ほんと恐れ多くて全然考えられないよ」


「え〜!なにが恐れ多いのさ!俺もお母さんも、いつでもウェルカムだって!ゆるちゃんのこと、すっごい大好きだもん!」


「翼くん……」


莉々ちゃんの件で、私は結局、ただのメイドでみんなとは違うことを実感して落ち込んでいたけれど、

翼くんの言葉が、たとえお世辞や建前だとしても、こうやってまっすぐ『好きだ』って言ってもらえるの、すごく嬉しい。


私はここにいていいんだ、って言われてるみたいで。


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