クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「え、嘘!」
「ざんね〜ん!あと2回!」
お店の人のそんな声する。
なるほど……このこより、思ってたよりも切れやすいんだ……そりゃ難しいよ。
「もう一回!」
そう言って再び挑戦してみたけれど、残りのふたつも、やっぱりうまく釣れなかった。
「ゆるちゃん今のめっちゃ惜しかったのにねー!」
「結構難しいよこれ」
「じゃあ今度俺の番!」
翼くんがウキウキしながらそう言って、再びお店の人に200円を渡した。
こよりを受け取って、翼くんがプールへと視線を向けて。
そこからはほんと、一瞬で。
「はいっ!取れた!」
ヒョイっとストラップをすくい上げて、すぐに専用の容器に入れた翼くん。
「えっ翼くんにすごい……」
「へっへーん!はいこれ、ゆるちゃんに」
「えっ」
翼くんは、私が狙っていたストラップを今さっき入れたばかりの容器から取り出して私に向けた。