クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。





「翼くん、これありがとうっ!このキャラクターすごく好きだから嬉しいっ。ほんと、上手だったね。初めてとは思えないよ!」


私たちがヨーヨー釣りを終えると、タイミングよく早凪くんたちも射的屋さんから出てきて、


みんなで再び歩きだしてから、私は翼くんに改めてお礼を言う。


「へへ、見惚れた?」


「うんっ!とってもかっこよかったよ!」


さっきよりもずいぶんテンションが上がっている自分がいて、


そういえば、最近何だかんだ翼くんに助けてもらってるなと実感する。


「うんって……」


「へ?」


翼くんが小さな声で呟いたけど、人混みのせいもあってよく聞き取れない。


「ううん、なんでもない。俺も楽しかったからよかった!また来ようねっ!次はゆるちゃんも取れるように!」


「うんっ、また来たい!」


そういうと、突然、翼くんの手が私の頬に伸びてきた。


「つ、翼くん?」


「やっと笑った」


「……っ、」


翼くん……ずっと、私のこと心配して?


「よし、みんなどんどん進んでる、置いてかれないようにしなきゃ!」


翼くんは、そう言って私の頬に触れていた手を下ろして、私の手を握った。


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