クールな無気力男子は、私だけに溺愛体質。
「すみません!明人さん!遅くなって!」
早歩きでサービスワゴンを厨房に運んで、全力で謝る。
「あぁ、いいよいいよ。あの3人があんなに楽しそうに食事するのなんて初めてだもん」
明人さんはそう言いながら、自分用に残しておいたらしいチャーハンを頬張る。
「初めて……?」
「うん。普段は無言だよ〜。瑛斗と早凪がしゃべるなんてなかなかない。翼は普段からあんな感じだけど」
「そうなんですか……」
信じられないな。あの3人、いつもこんな風に話してますって感じだったのに。
「ゆるちゃんなら、3人揃って笑った姿、いつか俺に見せてくれるんだろうなってなんとなく思うよ」
3人揃って……笑った姿。
「あ、でも、早凪には改めて言っといた方がいいよ。学校では話さないようにって。俺からよりゆるちゃん本人から言われた方が聞くかもね」
明人さんは「よし、とりあえず食器洗い頼みます」と話をさらっと変えて仕事モードに突入した。
それから、私がお皿を洗っている間に、次にやることリストを紙に書いて、冷蔵庫に貼ってくれた。