だから何ですか?Ⅲ
さぞ、再会の暁にはその複雑な感情露わに取り乱してくれるのかと思えば・・・、
いつも通りってどういう事だよ!?
何でさらりと笑いかけてくるんだよ?
まるで今までの空白の時間がなかったかの様に、昨日別れたかの様に。
俺の欲した亜豆のままで・・・。
ああ、視界の霞が鬱陶しい。
どこか遠のく感覚から逃げ出したい。
だって・・・、
「っ・・・会いた・・かった、」
何とか音にして弾かせたのは憤り皆無の純粋な渇望だ。
まだ、俺にこんな澄んだ欲求があったなんて。
そんな事を思い、触りたいと手を伸ばしたいのに、体が重くて言うことをきかない。
意識も更に深く引きずり込まれて、完全に視界を霞が覆った。
そんな瞬間。
「・・・私もですよ」
コレも・・・都合のいい夢?
いや、どこからどこまでが夢で現実で、その切り替えや境がわからない。
それでも最後の自分に都合のいい響きは直に耳に吹き込まれた気がした。
まるで・・・、
内緒事の様に。
俺にだけの秘密の様に。
夢と現の狭間に隠す様に。
それを確かめたいと思うも電池切れ。
自分の意思など御構い無しに限界を迎えた身体に強制終了させられ意識を手放した。