だから何ですか?Ⅲ
「ヒッ・・・39度!?」
「だりぃぃぃぃ~~~」
「当たりまえでしょ、馬鹿!!もう、本当ベッドで寝なさい!!私連れてけないんだからなんとか自力で今すぐ行け!!」
痛ってぇな・・・。
普通病人に蹴り入れるか?
『行け』と言って踏み込むように蹴りを入れてきた雛はさっそく鞄から常備しているらしいマスクをつけるとこちらを睨んで『しっしっ』と手を振ってくる。
完全に病原菌扱いのそれにはこいつのいたわりの心はどこにあるんだろう?と目を細めるもそれすら持続しない。
ってか、無駄に喧嘩に使う余力がないな。
それでも確かにソファでやり過ごすには体が辛い。
仕方なしに体を起こせば寒気で震え、そんな体の不調をなんとかおしてベッドのある寝室までふらつきながら移動する。
決して寒くない日であるのに使用していなかった部屋の空気はひんやりと低温に感じてここでも身震い。
そんな中で着替えるのすら辛そうだと感じながらも、なんとか振り絞って冷たい感触の綺麗なルームウェアに袖を通した。
飛び込んだベッドも受け入れ始めはどこまでも肌に冷たい。
寒い。
そんな事を思って布団の中で丸くなっていれば、コンッと強く一回だけノックが響いて雛が『入るわよ』と中に入ってきた。
「ほら、市販薬だけどこれ結構効くから飲んでおきなさい」
そう言って手渡された薬と、多分起き上がるのが辛い俺の為なのであろう曲がるストローの刺さったペットボトルの水。
変なところで気遣いがあるな。と、その瞬間は微々たる笑みを浮かべ、用意された薬を飲み込むとさすがに大人しくベッドに身を預けて意識を手放した。