だから何ですか?Ⅲ
潰れて息を荒く熱に苛まれながら咎める様に睨みつけて数秒。
つい数分前にはまるで違う熱情的な関係であった筈なのになんで。
「・・・・簡潔に結論を下すなら『はい』としか言えませんが?」
「・・・・・」
「むしろ・・・伊万里さんを優先すべき拘束関係は無いですよね?私達」
多分。
多分な、亜豆を擁護するわけじゃ無いけれどこの一言に複雑な嫌味とかはまるで無い。
自分と俺を交互に指差し小首を傾げてまで見せる姿は至って真面目に言っている。
真面目に言っていると分かるからこそ、これまた突っ込みたい感情が満ち満ちて顔が引きつるってもので。
「っ・・お・まえ、なぁぁ〜」
「はい、」
「そういう事言うか?!つい数分前の自分思い出して考えてみろ!俺の事『好き好き〜』って感じに悶えて縋って・・・、なのにサラッと何事もなかった感じってどーいうつもりだ!?」
あぁん?と、目を細め非難する様に見つめ上げての不満の吐露。
だってそうだろ?
さっきの今だぞ!?
まさかの二重人格なのか!?と、突っ込みたくなるくらいの切り替えの早さとドライ具合だ。