だから何ですか?Ⅲ
高城に何かされているわけでない。
その言葉に嘘はないと思うのになんか違和感だ。
でもその違和感を推察できるほどの思考能力が今は無くて。
【特別】という響きにもしっくりくるようでしっくりこない。
やっぱり、なんか納得いかねぇ。
「亜豆、」
「もう、寝てください」
「亜豆っ、」
どうしても受け入れきれない俺の心を読んだように、キリがないと言いたげに扉を再び開き始めた姿に待ったの声かけ。
それでも最早その響きに効果はないらしく、人ひとり出れるほどの幅に扉が開くと亜豆の身体も背を向ける。
ああ、ダメだ。
今日はもう・・・引き止める術がない。
でも、
「っ・・・お前、・・行くからな!」
「・・・・・」
「通い詰めて張ってやる!」
「・・・・・」
「呆れる程ストーカー行為してやるからな!」
ゼーゼーと息を乱して俺は何を宣言しているんだろう。
しかもベッドに潰れた状態で。
俺のストーカー宣言を背中で全て受け止めた亜豆が律儀に?聞き終わるまで足を止めてくれていて、全てを聞き入れ終わるとようやく首だけ捻ってドライな一瞥。