だから何ですか?Ⅲ



「同級生・・・ねぇ」



ぽつりと呟いたその言葉の対象2人はすでに建物の中に消えていて、良くも悪くも緊張感から解放された体を壁に寄りかからせて息を吐く。


そのまま見上げる空は今日は快晴。


雲一つないのに俺の心中はずっと疑問の靄がかかっていてスッキリしない。


その中の一つにあの2人の関係性も含まれていて。


なんか・・・、



「仲良し・・・って感じには見えねぇんだけどな」



元来、亜豆はあまり人と交流を持たないし、持っていてもはっちゃける感じでもないから比べるのも難しいけれど。


それでも唯一あいつが友達だと宣言した大道寺さんにはもっとこう関係が曲がりなりにも友好的に感じた。


それと比べると、同じ同級生でも高城と亜豆の関係はなんか・・・繋がってるのに繋がってない気がしてならないんだけどな。


ああ、もどかしい。


確かに俺への好意が明確なのに俺から離れる亜豆の心中も。


結局は堂々巡りの思考だと溜め息をついてポケットに手を突っ込んだタイミングに、丁度手の触れた携帯が一定のリズムで震え出す。


それを掴んで目の前に持ちあげた時には振動は止まっており、画面を確認すればメール受信の表示。


最近の連絡はLINEの方が多い。


そんな中でメールをしてくる人間は僅か。


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