だから何ですか?Ⅲ






仕事を休むようになってからは一日の時間の経過が長いと感じるようになった。


特にこうやってストーカーして、いつ出てくるかもわからぬを姿待っている時間というのは果てしなく長く暇だ。


でも、そんな退屈な待ち時間もあと1時間ほどで終わるかもしれない。


時計を確認すればそろそろ腹の虫も疼き始める11時程。


昼の休憩は恙ない仕事の流れであれば12時頃だろう。


まぁ、亜豆が出てくる確証はないのだけども。


それでも微々たる期待を持って時間を過ごしていれば不意にポケットで携帯が騒ぎだす。


また雛からのお怒り着信か?と、チラリ確認した画面表示は少し予想外の【三ケ月】の名前。


なんだかんだで番号を交換していたわけだけど、こうして電話がかかってくるのは初めての事になる。


なんだろうな。


また、なんかからかうつもり全開の要件だろうか?なんて思いつつも、持て余すほどの時間には飽き飽きとしていたところだ。


残りの時間の退屈しのぎには丁度いいかもしれないと、応答をタップし耳に当てると、



「はい、」


『あ、出た出た。その後体調はどう~?』


「おかげさまで、病欠休暇をストーカーに費やすほどには回復したかな」


『あはははは、開き直ってんね~』


「開き直ってなきゃストーカーなんてキチガイな事するかよ」



電話先でケラケラと楽し気に笑う声にすらどこまでも開き直ってこちらもクスリ。



< 193 / 381 >

この作品をシェア

pagetop