だから何ですか?Ⅲ
ザワザワと賑やかできらびやかな空間を抜けて廊下へと続く扉を押し開けば僅かに涼しい空気に安堵を覚える。
そうして身を出し後ろで扉が閉まり切れば静寂とまではいかずとも静かで別世界と言える人っ気のない空間にますます安堵。
一面ガラス張りの壁からは夜景を一望でき、そのガラス続きに点々とソファが並んでその一つ。
『ああ、いた』と思うと同時に思ってもみない姿も同時に捉えて苦笑い。
そう言えば、だったな。と、ソファに並んで座り何かを話している2人に近づくと、俺が声をかけるより早く振り返ってきた姿と視線が絡む。
いつみても鋭く綺麗な緑の眼光。
「ウチの秘書を口説いてた?雨月」
「今更口説くとか無意味な事するか、こいつに」
「どういう意味かな?雨月君?」
「口説いても口説かれたと思わない女にわざわざ言葉遊びはしかけないって事」
違いない。
雨月がそう言うのも無理はない。
本当に、凛生には大人の言葉遊びな口説き文句は無意味になる。
それを同じ生き物である麗生で充分に学んでいるせいか、ついつい苦笑いで納得して不満げな凛生の姿に麗生が重なった。