だから何ですか?Ⅲ
そうする事で居る事を確かめる様な。
今にも消えそうな姿を引き止める様な。
そうして音を弾けばこちらの不安など肩透かしの様な反応で振り返り小首を傾げてくるから参ってしまう。
しかも特別用事もなく呼んだ手前、何を続けようか迷いつつ、
「あー・・・そういえば、部屋は見つけたのか?」
「ああ・・・まだ。あんまりいい物件なくて。でも私に気を遣わず麗生ちゃんと同棲始めていいから」
「でも、あの部屋一人で家賃払うには高いだろ?」
「まぁ、一回やそこらはなんとかなるから」
「・・・・いっそ、和の部屋になだれ込めば?」
「・・・・・」
「・・・・ん?嫌なのか?」
そう言えばの話題。
それでも持ち出せば立派に会話が成り立って、普通に進むその中に茶化す様に和との同棲を持ちかければ何故か返されるのは沈黙の間。
はて?と疑問に思い、運転中であるから視線を走らせたのも一瞬だ。
その一瞬に捉えたのは物憂げな凛生の横顔で、すぐに『はぁっ』と息を吐きだしたかと思うと。
「嫌というより、」
「うん?」
「伊万里さんのペースを乱さないかって」
「ペース?」
「仕事が好きな伊万里さんの邪魔にならないかな?って言う心配かな。勿論・・・私は一緒に居れたら嬉しいけど」
確かに、生活を共にすると言う事は嬉しい楽しいという部分もあれば、必ず合致しない部分も出てくるという事。